こんにちは。
少し間が空きましたが、歯周病企画第2弾です。
3歳以上の犬の約8割が歯周病に罹患しているとも言われています。
初期の歯周病であれば少し歯石がついた程度、ちょっと口臭がするぐらいの子が多いですが、病状が進行していくと根っこが膿んでしまったり、ひどい場合は下顎の骨折を引き起こすこともあります。
今回は歯周病から下顎骨折を引き起こした子、そして骨折はしなかったものの下顎の骨が極めて薄くなってしまったこのレントゲンをご紹介します。
1.歯周病による下顎骨折
この子は15歳で2年前に歯周病治療のため抜歯を行なっていた子です。
残っていた下顎の歯周病が重度になり口を触るのを嫌がるようになったとのことで来院しました。
術前のレントゲン写真はこちらです。
完全に折れています。
これは2本残っているうちの前の歯の歯根が膿んでしまい骨を溶かしたものと思われます。
幸い下顎の骨折はしていたものの、骨のズレはほとんどなかったので本人は痛みはあるもののご飯やお水は普通に採れる状態でしたので、抜歯処置を行い終了となりました。
術後も問題なくご飯は食べられています。
このような骨折の場合本人に問題がなければ無理してプレートなどで固定する必要がないことも多いです。
2.下顎骨の骨吸収
次は13歳の犬のレントゲンになります。
こちらも重度の歯周病治療のため抜歯を行う前にレントゲン検査を行いました。
レントゲンがこちらになります。
所々科学の歯の根っこの骨が黒く抜けているのがわかると思います。
ここも歯根が膿んでしまい骨が吸収されてしまっているところです。
これをそのまま放っておくと最初にお見せした子のように骨折してしまう可能性も出てきます。
またこのような場合歯を抜くのに力を入れてしまうと、その力によって下顎の骨が折れてしまうことも多くあります。
実際に私もそのような症例に遭遇したこともあります。
今回の場合は歯を分割しなるべく骨に衝撃が加わらないように抜歯を行ったので、骨折をせず無事に終了しました。
今回ご紹介したのはここ最近でも特にひどい場合ですが、ここまで至らなくても抜歯が必要になる子や口臭がひどい子がとても多くいます。
前回もお話しした通り歯周病は万病の元です。
歯周病から心臓や腎臓、消化器やアルツハイマーまで様々な臓器の病気になる可能性があります。
歯石や口臭がひどい場合は麻酔下での処置が必要となってきますが、軽度の場合はご自宅でのケアが可能になります。
次回は口腔内ケアの仕方をお話しします。
コメント
ししゅうびょう怖いですよね、もの言えない動物は多少の痛みは我慢してると思うとやはり手入れは必要だなと思います。我が家はやっていなかったので反省しています
今度歯磨き持って行きますか??
やらせてくれるか不安ですー