こんにちは。
先日の台風、八王子や東京はそこまで被害はなかったみたいですが、私の元の勤務先の静岡市は大きな被害を被ったようです。
知り合いの家でも浸水、断水が相次いでいます。
自然災害は恐ろしいですが、最低限の備え、そしていつ何が起きてもいいように自分のやりたいことは今すぐやらなければ、と改めて思いました。
これから静岡に行って何かできることはないか探してきます。
さて、今日は便秘の話です。
人間は毎日1〜2回便通がないと便秘だと言われています。
多い人では4kg近くも便が体の中に停滞している人もいるんだとか。
便秘の原因はそのほとんどが食生活とストレス。
もはやこれらはすべての病気に共通しているのではないでしょうか?
ここ最近2頭連続で重度の便秘の猫ちゃんが来院されました。
普通、数日に1回しか出なくてもある程度まとまって出ていれば吐いたり食欲がなくなったりはなかなかしません。
しかしながら今回の子達はどちらも嘔吐、食欲の低下、そして元気もなくなってしまっていました。
それぞれのレントゲンがこちらです。
この2人のように便が大量に長期間大腸に止まっていると、便が大きくなりすぎて骨盤を通過しなくなります。
その結果いきんでも便が出なくなってしまうんです。
こうなってしまうと便を指でほぐしたり浣腸をしないと出なくなってしまいます。
実際にこの子たちも浣腸を行いました。
さてここまで行ってしまうと病院で処置をしないとしんどいわけですが、そうならないために対策はあるのでしょうか?
もちろんあります。
それはやはり食事とメンタルですね。
メンタルで腸内細菌のバランスが崩れるというのは人間でもそうですしご存知の方も多いと思います。
しかしながらメンタルを改善させるのは困難なことが多いですし、ケースバイケースですのでここでは割愛させていただきます。
食事に関してはいつも言っているように穀物や添加物を避ける、ということには変わりありません。
実際に今回の2人は便秘時には市販の色のついたフードを食べていました。
ではどんなフードがいいのか??
と動物病院に尋ねたときにまず紹介されるのは食物繊維の多く入った療法食ではないでしょうか?
食物繊維を多くとると便のカサが増えると同時に水分を保持してくれるためフードに入っていますが、それはあくまでも「対症療法」
根本的にはそのドライフードの食材まで見て、猫にあっているのかを見てあげないといけません。
次に示すのは動物病院でよく処方されている食物繊維が多く入っている療法食の原材料名です。
猫はもともと肉食です。
ライオンやトラなどは肉や骨など100%動物から摂取しています。
そこには草食動物の腸も入っているため草も摂取しているとは思いますが、基本的には肉食なんです。
もちろん同じネコ科のネコも同様の食事が理想です。
ネコは草食動物は食べませんが鳥やネズミなどの小動物、カエルや昆虫などを食べます。
草や果物なども食べると思いますが基本的には肉食なんです。
と、それを踏まえた上でこの材料を見てみると、穀物が多いことに気が付きませんか??
まず一番最初に表記されているのがお米。肉じゃないんです。
そして小麦やとうもろこし。
こちらは農薬の問題なんかもありますし、もし遺伝子組み換えであれば除草剤の害なども心配されます。
日本の食品もそうですが遺伝子組み換えではない、という表示がない限りは遺伝子組み換え作物が混ざっている可能性は否定できないでしょう。
ではこれらの猫にとっては合わないと思われる材料を使っていてなぜ便秘に効くのでしょうか?
その答えはおそらく「サイリウム」
オオバコです。これは食物繊維の塊みたいなもの。
つまり食物繊維を大量に含んでいるため便の量が増し、また水分の調整も行われ便が出やすくなるんです。
でもこれって実はすごくおかしなことなんです。
そもそも猫が便秘になる、ということ自体本来ならないはず。
そこには乱れた食事、ストレスなどが関係していると思われるので、まずは食事を本来の形に戻すことが先決ですが、なぜか便秘用の食事は猫に合わない材料を使っています。
もし根本から治すのであれば肉食中心、穀物は少なめの食事にした方がいいと思っています。
極端な話ですが便秘の人に対してコンビニ弁当やカップラーメンなどの食事はそのままに食物繊維だけ食事に足して便秘を解消させようとしているようなものではないでしょうか?
一時的に便が出る可能性はありますが、体に合わないものを食べ続けていたら便秘がひどくなったり違う病気を発症する可能性があることは肌感覚でわかるはずです。
それを犬猫だと普通にやってしまっているんです・・・
そしてそれでも出ないと浣腸や便軟化剤などを使う。
薬、薬、薬・・・
永遠に終わりません。
今回の患者さんたちに対してはまず食事内容の変更を行ってもらいました。
グレインフリー、もしくは穀物の入っていないフードを与えることにより腸内環境や体質の改善を図って行きます。
犬猫などの動物も基本的には人間と同じ、というか人間が動物と同じですので人間にとっては何がいいのか?を考えるところからまず始めなくてはいけません。
それは薬や手術などではないはず。
まだまだ先は長そうです・・・
コメント
基本に戻っていろいろ考え変えていかないといけないですね。
我が家の愛猫の病を通してたくさん先生に教えていただきそれを私たち家族にも生かしていこうと思いました。愛猫のおかげで毎回勉強できます