こんにちは。
今日は久しぶりに死についてのお話です。
先日の東北旅行の目的地の一つであった福島の患者さんの飼われていたワンちゃんが先日亡くなりました。
15歳、心臓が悪く最近は腎臓も悪くなって痩せてしまっていました。
なぜ東北に行くことになったのか、と聞かれたら
「患者さんが福島に引っ越したからその様子を見に行くため」
が最初の理由でしたね。
むしろ最初はそれしか決まっていなかったので、どうせ東北に行くなら他の所も見てまわりたい、と行き先を後付けしていった感じです。
この子と初めて出会ったのは2021年の年末だったと思います。
この方のお家は八王子から1時間ぐらい。
それでもなぜあの病院を選んでくれたのか?と言ったらTwitterとホームページだったみたいです。
元々心臓が悪かった子でしたがだんだん咳が出てきてその度に薬がどんどん増えていき、診察当初もまた薬が増える、と言われたので以前から気になっていたとのことで永井動物病院を受診されました。
「頼むならこの先生しかいないと思う」
Twitterを見ていてそう思ってくれたと後々聞いて嬉しくなりました👍
初診時確か4種類飲んでいましたが心臓のエコーを行なった結果最終的に必要なのは1〜2種類、みたいな話をしたと思っています。
薬を減らす、と言う概念は他の先生にはなかったようで、その後から付き合いが始まりました。
その後約1年半永井で診察することになったのですが、全然順風満帆ではなく、痩せる、腹水が溜まる、呼吸が荒くなる、など全然良くならなかった時が数ヶ月続いたんですね。
正直良くなっていかない子を診察している時は「申し訳ない」と言う気になってきてなんとなく気が引けてくるんです。
でも犬も人間も毎回元気にやってきてくれたのでとても救いになっていました。
去年の秋から冬にかけては腹水の量がおそらく1リットルぐらいあったんじゃないでしょうか?
でもその後なぜだか腹水も減ってきて心臓の動きも良くなり、本人も元気になってきたんです。
心臓の治療は継続して行なっていましたし薬も調整していましたが、その改善の仕方は明らかに薬だけの力ではなく本人の力も大きかったと思います。
今年の3月、私が永井を辞めるので送別会も兼ねて飼い主さんと飲みに行こうと思って診察中に話をしていたら衝撃的な一言。
「福島に引っ越すんですよね」
これも何かの運命なのかな。
この年齢で環境が変わる、って言うのも心配でしたが「ちょうど仕事を辞めるから福島に往診に行けるな」と、そのタイミングもバッチリでしたね。
ってことで福島に引っ越されたんですがやっぱり環境の変化で調子が悪くなってしまったんです。
その後は向こうの病院さんにいきながら「かかりつけ医がいますんで」と謎の発言を向こうの獣医さんにしながら、ラインや電話で相談に乗りつつ6月の福島行きを迎えました。
福島に行きその子に会いましたがやっぱり痩せていましたね。
東京にいた時にお家にお邪魔した時はおじいちゃんなのに俺の足に腰を押し付けて振り振りしていたのに、福島ではそっけなかったですw
でもちゃんと覚えていてくれたと思います。
その痩せ方を見て「もしかしたらこれで逢うのは最後かもな〜」なんて思いながら福島を後にしましたが、その後もなんとか食べられていたので安心していました。
6月29日。
福島のお土産に日本酒をもらっていたんですが、うちのお酒がなくなったからそれを飲もうかな〜って思ったんですよ。
んで普段は写真なんて撮らないんですがお酒の写真を撮って「いただきま〜す」みたいに呑気に患者さんにLINEを送ったんですよ。
そしたら「先生、ちょっといいですか」って返信が来たんで「これ、もしかして・・・」
って電話をしたら「亡くなったんです」っと言われたんです。
いろいろタイミングが不思議なんですよね。
Twitterもその後はあまりやらなくなっていたし永井を辞めるタイミングで福島に引っ越しが決まったし、たまたま写真を送ったら亡くなったとの連絡が来たり。
人生何があるかわかりませんが全てのタイミングはちょうどいい所で起きているんでしょうね。
なるようにしかならないし、逆になるようにしかならないでいいんだな〜と思いました。
そしてそんな感じなんで永井を辞めるって言った時も、福島に行くって言った時も、そして今回も。
寂しさってものを全然、って言っていいほど感じないんですよね。
亡くなってしまった子には会えないですが、結構自分の中ではやり切った感があるし、多分飼い主さんにもそんな雰囲気があると思っています。
そして飼い主さんは福島にいますがぶっちゃけ数時間で会いに行ける。
と言うか実際に会いに行きましたしw
これがその時その時をしっかり過ごせている、ってことなんですかね。
やっぱり犬をはじめとして動物たちって言うのは我々人間に様々なことを教えてくれているんだと思います。
そして人間がどう行動しようが、動物達って言うのはそれを全て受け入れているんだろうなとも感じます。
今まで本当にありがとうね。
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