歯周病③ 歯のケアについて

こんにちは。

今日は歯周病第3段の歯の日常のケアについてお話ししたいと思います。

犬猫を含め野生の動物達には本来歯磨きは必要ありません。

と言うか歯磨きを自分でしている動物は人間以外いませんよね。

なぜ歯磨きをしなくてもいいのかと言えば野生動物や草、果実などを食べている動物達は本来その動物達が食べるものを食べていますのでそもそも腸内環境が整っている、と言うことは口腔内環境も整っているからだと思っています。

また動物達の骨や草木などをかじる事によっても歯磨きの代わりができているものと思います。

ではなぜ現代の犬猫達はこんなにも歯周病が増え、歯磨きなどの歯のケアが必要になってきているのでしょうか?

その大きな原因はやはり「食事」でしょう。

現在の犬猫のメインのフードはドライフードやウェットフード。

これらは噛む時に歯にくっつきやすいため、歯垢が野生動物よりもつきやすくなります。

また体にあっていない素材や添加物、その他病院で処方される薬などによって腸内環境が荒らされてしまうため、口腔内環境も悪くなってしまいます。

さらに骨などの硬いものを噛む習慣も今の犬猫にはありません。

このような点から今の犬猫は野生動物に比べると歯周病になりやすいんです。

さて、そこで必要となってくる口腔内のケアに関してですが、今回は2種類紹介しようと思います。

1.歯磨き

やはり歯周病対策として一番効果があるのは歯磨きだと考えています。

ドライやウェット、おやつなどの食べかすに対して物理的に除去してあげることができる歯磨きは、動物が嫌がらないのであれば必須のものだとも思えます。

歯磨きをする頻度に関してですが、犬の場合歯垢が歯石になるのに3日かかると言われています。

歯垢の段階であれば歯磨きをすることで落とすことができますが、歯石になってしまうとなかなか歯磨きだけでは除去するのが難しくなってきてしまい、動物病院での処置が必要になります。

そのため最低でも3日に1回、可能であれば毎日の歯磨きが理想となります。

歯垢の除去に関してはやはり歯ブラシが一番いいでしょう。

しかし歯ブラシを許容してくれる動物はあまり多くありませんし、歯ブラシを噛んでしまい毎回ボロボロになってしまうことも多いでしょう。

また歯ブラシを強く当てすぎて歯茎から出血してしまうことも多いです。

もし歯ブラシを使うのであれば直ぐにボロボロになってしまうことが予想されるため、効果な動物用で行う必要はなく、子供用の柔らかいブラシを使ってあげればいいと思います。

また歯ブラシを嫌がる子に関しては指やガーゼなどで歯自体、そして歯と歯茎の間を磨いてあげるだけでもやらないよりは効果があります。

その時に何もつけないで歯磨きをするよりも動物用の歯磨きペーストをつけてあげた方がより効果的に歯垢を除去することができるでしょう。

とは言え、動物用の歯磨きペーストはペットショップなどでも多く販売されているためどれを選んでいいのかわからないことも多いと思います。

歯垢の除去効果はもちろん気になる所ですが、歯磨きペーストの多くは合成の添加物(薬品)が多く入っています。

例え歯垢を除去できたとしても毎日使うものですし、基本的に飲み込んでしまうものですので、なるべく薬品が入っていないものを選びたいですよね。

っと思いながら色々探していた結果、良さそうな歯磨きペーストを見つけたので今回ご紹介します。

こちらです。

この歯磨きペーストは全て天然由来の成分で作られています。

やはり毎日口にするものですので薬品よりは天然成分の方が安心ですよね。

肝心の歯垢除去についてですが、この歯磨きペーストに含まれている「バイオミネラル」と言う成分を用いて口腔内のpHをアルカリ性に持っていくことによって、歯周病の原因になるとされている悪玉菌の繁殖を抑えることができます。

それにより歯垢除去、口腔内の浄化、口臭を防ぐなどの効果も出てきます。

まだ当院では取り扱いをしたばかりですが、唾液の質が変わったとか口臭が減ったとの声も出てきています。

今までの歯磨きペーストに満足できていなかった方はぜひお試しください。

2.口腔内サプリメント

続いては歯周病予防のためのサプリメントに関してです。

前々からお伝えしている通り腸内環境と口腔内環境はリンクしていることが人間ではわかっているため、おそらく犬猫もリンクしていると思われます。

したがって口腔内を良くしようと思った場合には腸内も含めた環境の改善が必要になってきます。

その改善の第一は何度も言っているようにやはり「食事」ですが、そこにサプリメントを加えるとより効果が出る子がいます。

当院では口腔内を含めた善玉菌を増やすサプリメントを何種類か扱っています。

実際に口臭が軽減する子も見られますので個人差はあるものの効果はあると思われます。

しかしやはり歯周病予防に一番効果があるのは歯磨きだと思いますので、サプリメントの使用に関しては歯磨きができない子、もしくは歯磨きをしていてもあまり変化のない子だけでもいいのではないかと考えています。

もしそのような子がいましたらご相談くださいね。

以上の2点がご自宅でできる歯周病ケアになってくると思います。

しかし残念ながら歯石になってしまったものに関してはご自宅でのケアで除去するのはかなり難しいです。

その場合動物病院での処置が必要となるわけですが、基本的には麻酔を行い超音波スケーラーというものを用いて歯石を超音波で破砕していく必要があります。

これは超音波の音、振動などが動物にとっては不快だと思われるために基本的には全身麻酔を行なってやるべきですし、全身麻酔下でないと奥の歯であったり歯と歯茎の間だったりは綺麗にすることはできません。

たまに無麻酔スケーリングというものを行なっているところもありますが、その場合動物にとっても負担になりますし歯石を器具カリカリしながら除去するため、歯のエナメル質を傷つけてしまいその溝に余計に歯石が付きやすくなってしまう可能性もあります。

「無麻酔」という言葉には魅力を感じますが、その代償は大きいと感じています。

ですのでなるべくご自宅でのケアを毎日行いながら、歯石がついた、歯周病がひどくなった時はしっかりと麻酔をかけて処置を行ってあげることが必要なのではないかと考えています。

ひとまず歯周病ブログはここで終わりになりますが、また症例報告などありましたら書きたいと思います。

何かこのテーマで!!と言ったご希望があればコメントでもいいですし診察時でもいいので言っていただけると助かります。

では🤗

コメント

  1. サマンサ(JSD) より:

    たった3日で歯石になるとは、、、。猛省。老犬になってとんでもないことにならない様最低3日に一度は頑張ります。
    次のネタなのですが、犬の下痢についてお願いします便臭からわかる病気、ストレス、アレルギーについてとか下痢にまつわる事的な?薬とは別に、先生が飼い主にして欲しい事は?などお願いします。

    • キヨ より:

      下痢、難しいですけどやってみます!
      飼い主さんにやってほしいこと、色々ありますね〜

  2. サマンサ(JSD) より:

    寄生虫ネタも欲しいです
    サム迎え入れた時犬回虫いて駆虫薬で極太スパゲティがでてきました
    知り合いのJSDがジアルジアに2度も感染。電柱のおしっこ嗅いだだけで感染⁉️とか寄生虫ネタ気になります

  3. おすしと彩ちゃん、時々恵美ちゃん より:

    初代おすしは17年間で1度も歯磨きしたことありませんでした
    老犬になっても歯も抜けませんでした

    12歳の時、パテラのオペの時に見るに見かねた外科の先生が急遽スケーリングしてくれたのが最初で最後です

    あの見事な歯石とパンチの効いた口臭が懐かしいですwww

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