往診の大切さを最近実感しております。

こんにちは〜

毎週のように患者さんを含めていろんな人と飲みに行っている今日この頃。

皆さんはどうお過ごしでしょうか??

いろんな患者さんから言われる言葉の中に

「えっ!!先生が家に来てご飯食べるの??」

「えっ!!先生と飲みにいくの!???」

みたいなものがあります。

正直私は獣医になって2年目ぐらいから患者さんの家に転がり込んでご飯を食べたり外で一緒に食事をしたり、ここ数年は往診と称して診察をする名目でお家にお邪魔したついでにご飯をご馳走になる、みたいなことを行なってきていましたので、それが当たり前と言えば当たり前なのですが、世の中はそうではないみたいですね・・・

まぁこんな話を獣医さんに話しても大体は同じリアクションをされて終わりなんですが・・・

今までで一人だけですね、患者さん達のよく飲みにいく、といっていた獣医さんは。

もちろん親しくしすぎるのは良くないと思います。

やはり獣医と飼い主さんの間柄、というのは守っていかなければいけないとは思いますが、親しくすることによってその方の本音を聞くことができ、それがまた治療につながっていくことも多い。

またこちらも包み隠さず割と本音で話をするため、患者さんも本音を出してくれます。

今日はそんな獣医師生活をしてきた中で「往診の大切さ」というものを最近身に染みて感じていますので、そこら辺をお話ししたいと思います。

往診をする大きなメリットを挙げるとすると

・院内の診察よりもゆっくりと話ができる

・その子と飼い主さんの環境を把握できる

私はこの2点を挙げたいと思います。

まず1点目

普段の診察はよほど暇な時以外は数分、長くて15分程度話を聞いて終わりのことが多いです。

ゆっくり話を聞きたいのは山々ですがやはり他の診察もありますしなかなか話を深掘りできないのが現状です。

また飼い主さんも動物病院では話せないことを家だと話してくれることも多いです。

やっぱり動物病院だと緊張していたりとか立ち話になってしまうので長々話はできないんですよね。

またプライベートな話などは外に漏れたくないため話ができない。

いや、普通に薬を出すだけならそこまで深ぼる必要なんて全くないと思います。

でも私がやっている治療は飼い主さんと動物の関係を探ることが不可欠なんで、そこまで掘る必要が出てくるんです。

飼い主さんは犬猫のことに関してとてもよく勉強されています。

自分の子供同然に飼われている方も多いです。

でもそうであればあるほど不安になって行ってはいないでしょうか??

下痢や嘔吐、痒みや咳などがあるとネットで調べてみたりSNSを探ってみたり。

そこに安心できる情報があればいいのですが基本的にどの情報を見ても不安になるものばかりなはずです。

だって診てもいないのに「大丈夫です!!」なんて言えませんので、どうしても不安にさせる情報しかなくなるんですよね。

それで調べる前よりも不安になって病院に来る。

しかしそれを見ている犬猫はどう思っているでしょうか?

逆だったら、と考えてください。

もし自分が動物だったら、もし想像するのが難しければもし自分が子供だったら、ネットを見ながら不安になっている親のもとで安心して暮らせるでしょうか?

さらに夫婦間で意見が食い違ってしまった場合、動物達は安心してそこに身を置けるでしょうか??

この辺の状況は診察室で話をしているだけではわからないことが多いんです。

しかし実際にお家にお邪魔して打ち解けてくるとそのお家の環境、家族の仲などがわかるようになってきます。

ぶっちゃけそこを改善しない限り病気が治るということはあり得ない、そう思うんですよね。

二つ目のメリットはそのお家の環境がわかるということ。

普段その子がどのようにご家族と暮らしているか?

これを見ることはとても大切です。

普段過ごしている場所だったり寝る場所だったり、使っているタオルや毛布だったり。

また先ほども書きましたがご家族との関係性なんかも家に行くとよくわかります。

ですがそれ以上のメリットを感じるところがあります。

それは「病院で見せる表情とは全く違った表情を飼い主さんも動物達も見せてくれるということ」です。

動物病院に来る、というのは人にとっても動物にとってもストレスになることだと思います。

特に飼い主さんがストレスに感じ、不安でやってくる場合は動物達は間違いなく不安になっています。

しかし家に伺った場合は他の人が家に入る、といったストレスはあるものの基本的にはホームですので動物達の不安も病院のものよりも軽減されています。

そしてこれが最も大切なことですが、そんな動物と人間との普段の生活を見ていると、過激な治療なんてできないんですよね。

以前にもブログに書いたことがありますが、飼い主さんと色々な話をしているとほとんどの希望はただ一つです。

「苦しむ姿を見たくない」

職業、収入、住んでいる地域、犬猫。

それに関わらずほとんどの飼い主さんの願いはそこなんです。

「なんとしても病気を治したい」

「なんとしても長生きさせたい」

なんて思っている方は少ないです。(もちろんそう思っているかもしれませんが、お酒を飲んでいる時に出る本音は前者が多いです)

実際に家にいる姿を見ると高齢になってからの手術や抗がん剤など、犬猫に負担のかかる治療って果たして本当に動物のためになっているのかな?と疑問になります。

また飼い主さんとの話をしていても動物に負担になったとしても治療をしてほしい、なんて言っている人はほとんどいないんです。

そういう話が普通にできる環境、それが往診であり飼い主さんとご飯を食べることだったりするんです。

今後の活動についてはまだまだ未定な部分が多いですが、往診は引き続き行なっていこうと思っています。

少しでも動物達にとって負担の少ない治療、そして根本から問題を解決できる治療を目指していきます👍

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