こんにちは。
今日は久々に症例報告を。
今日ご紹介させていただくのは膀胱結石の猫ちゃんです。
2年前のレントゲンでは膀胱ないに結石は認めませんでした。
最近頻尿がひどく元気もなくなってきたとのことでレントゲンを撮ったところ・・・
・・・
いやいや、育てすぎじゃないですか??
こんなに大きな石は初めて見ました。
摘出した石の写真はこちらです。
3cmあります。
猫の膀胱で3cmです。
これ、人間だったら10cmぐらいに相当するかもしれませんね・・・
最近石ができる子が多いです。
なんで石ができるのか??
そんなことは教科書にも載っておらず、セミナーなどでも石の再発防止として療法食のことぐらいしか言われません。(最近獣医の情報を入れる事がほとんど無くなったので、今の知見はわかりませんが)
自分なりに至った結論は2つ
1.添加物、身体に不要な物質がたくさん入ったフードを食べているから
2.単純に食べる量が多く身体に老廃物がたまってしまっているから
まずは1番目の問題から。
膀胱結石や腎結石は大きく2つに分けられます。
リン酸アンモニウムマグネシウム(ストルバイト)結石とシュウ酸カルシウム結石です。
結石と動物病院で診断が下るとまず言われることは「療法食をあげましょう」ですよね。
この療法食はどういうコンセプトで作られているかというと、基本的にはマグネシウムを制限してリン酸アンモニウムマグネシウムをできにくくしています。
しかしこのフードを食べていて逆にシュウ酸カルシウム結石ができる事があります。
というこ近年、様々なフードがリン酸アンモニウムマグネシウム結石を考慮している結果、逆にシュウ酸カルシウム結石が増えてきています。
これはどういうことなのか??
実はシュウ酸カルシウム結石の形成予防にマグネシウムが重要な役割を果たしている可能性があるからです。
人間の方では低マグネシウムはシュウ酸カルシウム結石形成を促すのではないか、と言われております。
だからリン酸アンモニウムマグネシウム結石が出ているからと言ってマグネシウムを制限してはいけないのです。
マグネシウムは筋肉や皮膚の代謝などにも重要なミネラルなので、私は制限することはよくないと考えています。
じゃあマグネシウムが入っているフードを普通にあげたら結石ができるのか?
これはそのフードの種類によると思います。
私が考える注意したい物質はマグネシウムではなく「リン酸」と「アンモニウム」です。
特にリン酸。
リン酸は添加物に多く含まれています。
穀物中心の色、味のついたフードには添加物が大量に含まれています。
その添加物の中には少なからずリン酸が含まれていると思います。
実際に最近膀胱結石の手術を行った子の約半数はそのような色付き、穀物中心のご飯を食べていました。
やはり身体に良いものを食べる事が大前提になってきます。
続いて2番目。
単純に食べる量が多く身体に老廃物がたまってしまっているから、について。
これは最近まであまり考える事がありませんでした。
でも理屈を考えてみると当たり前だな、と感じました。
我々人間も含めて動物は食べたものから身体ができています。
しかしその食べ物の中には当然ですが身体にとって不要なものも含まれています。
それをどうするかと言ったら肝臓で解毒をされ、腎臓で排泄されます。
つまり便か尿で身体の外へ出されるわけです。
ということは???
余分なものが多ければ多いほど、便中か尿中にその物質が多くなるという事なんじゃないでしょうか??
考えてみれば当然の結果。
実際に1番のように色付きフードを食べている犬の尿は濃かったりもします。
体はそうやって不要なものを外に出しているんです。
さて、そこで問題なのが現代の犬猫。
特に猫。
私の見立てですが7割方の猫はぽっちゃりしています。
1日2食、場合によってはそれ以上ちゃんと食べているのにもかかわらず運動はほぼ無し。
最近では外に出る子も少なくなったため、基本的に慢性的な運動不足状態です。
これで1日2食きっちり食べてたらよほど気を付けない限り確実に栄養過多になってしまいます。
そうすると尿中にも身体が吸収できない栄養分が出てきてしまうんじゃないのでしょうか??
私はこれも結石形成の大きな原因だと考えています。
野生動物は数日に1回しか餌にありつけない事がほとんどです。
そして運動もしています。
家庭で飼われている動物達は野生動物のような運動はしないと思いますので、食事の方をコントロールする方が簡単に体質改善ができます。
食事と運動などの代謝のバランスが整ってくれば身体にとって不要となるものも少なくなり、尿として排泄される量も少なくなるんじゃないでしょうか??
食べ過ぎは病気の元。
全ての病気に共通していそうですよね。
物事には全て原因があります。
教科書にも載っていない原因を探る作業はとても面白いですよね👍
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