先日股関節脱臼の犬が来院しました😫
股関節脱臼は元々股関節が浅い(股関節形成不全症)犬に起こりやすいですが、ちゃんとハマっている子でも起きることがあります。
走ってて滑ったり、高いところから落ちた後に後ろ足を上げていたら外れているかもしれません。
今回の子は庭で走っていたら外れてしまいました…
さて、股関節が脱臼した場合どんな処置になるのでしょうか?
まず実施されることが多いものは、外れてしまった股関節を戻す方法です。
人間の場合はどうかわかりませんが、動物の場合は全身麻酔科で足を引っ張り股関節を戻します。
戻ったら1週間は足を包帯で固定し、再脱臼を防ぎます。
今回の子は最初の脱臼の時にそのような方法で股関節を戻すことに成功しました👍
しかし一度外れた股関節は靭帯や関節包が傷ついているため、再脱臼しやすいんです。
実際にこの子も1ヶ月で再脱臼してしましました…
1度再脱臼してしまうとその後戻したとしてもまた脱臼してしまう可能性が高くなります。
その場合は手術が必要になってくるんですね。
人間の場合は人工股関節にすることが多いと思います。
人工股関節はインプラントを入れて正常な股関節に近い動きをすることができます。
動物の場合も人工股関節にすることがありますが、高度な技術が必要で値段も高く合併症も多いためあまりやられていません。
当院ではもちろんやっていませんが、もしご興味があるようでしたら動物救急センターでやっていますので、ご相談ください🤗
それ以外の一般的に行われている手術方法は「大腿骨頭切除術」というものです。
股関節にはまっていた大腿骨頭を切除する方法です。
股関節脱臼をすると大腿骨頭が周囲の骨盤に触れるため、痛みが出ます。
そこを切除してしまうのがこの方法です。
結果的には股関節はずっと脱臼したままになりますが、前足に70%の重心がかかる動物はこの方法でも問題なく歩ける子が多いです。
実際に今回手術を行った子も術後2日後より後ろ足をついて歩いていました👍
意欲的な子ほどリハビリが簡単に行えて回復が早いです😁
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