獣医師になってからを振り返る

こんにちは😊

もうそろそろ獣医師になって丸11年。

永井動物病院の院長になってこのブログを書き始めて2年になります。

このブログではこれまで、一般的には非常識な内容だったり皆様にとっては新たな発見だったりを書いてきました。

また病気の話はほとんどせず、どちらかというとメンタルについての話を多くしていました。

「病は氣から」

病氣になる原因はメンタルに依るところが多いと思っていますので、そのような投稿が多くなっていますし、病氣に関する投稿はどうしても皆様を不安にさせるところも多いのが事実。

またそれぞれ病氣になる理由も家庭も違いますので、例えばリンパ腫などの腫瘍でも経緯が違えば本来であれば治療やその他の対処法も全く異なるはず。

それを診察をしないで色々書くのは難しいことですので、あまり病氣については投稿してきませんでしたし、今後も少ないと思います。

今日は今までの獣医生活の中で、どうしてこんな屁理屈な人間になってしまったのかを振り返りたいと思いますw

まず今までの経歴から

静岡県内の病院4年半

東京都内の動物病院で2年

ER府中、文京 バイト・常勤合わせて4年

永井動物病院2年

大雑把に書くとこんな感じです。

静岡の動物病院と昭島動物病院は獣医師5人前後のいわゆる中核病院。

最近の流行りの言い方をすると1.5次病院ってとこでしょうか?

前にも書きましたが基本的な私の獣医としての考え方を作ってくれた病院は、間違いなく一番最初の静岡の病院の院長でした。

獣医、というと一般的には動物のお医者さん、というイメージがあります。

動物の病氣を診る。

しかし最初の病院で言われたことは、動物はもちろんだけど飼い主さんの方も診る、ってことを教えてもらいました。

その時言われてよく覚えていることが2つ。

ひとつ目は

「飼い主さんは不安で病院に来ているんだから、少しでも安心させてあげることが必要」

これは本当にそう。

基本的に病院は体調の悪い動物達がくるところです。

体調の悪い動物、言ってしまえば家族ですよね、を連れてきているのにルンルンで来院する人はほとんどいないと思いますw

そんな方々をいかに安心させてあげるか、これをできるのは獣医や看護師なんですよね。

世の中には治らない病氣はたくさんあります。(少なくても今までの医療では)

腎不全だったり癌だったり。

老化なんかも治りません。

そんな動物を連れてくる飼い主さんに何をしてあげれば安心してもらえるのか?

それは動物を治すことと同じくらい必要なことです。

なぜなら人間が動物を飼う目的は「楽しむ」から。

飼うことにより生活を豊かに楽しくすることが多くの人にとって最初に動物を飼った目的のはず。

それがいつしか病氣になってほしくない、ちゃんと飼わなければいけない、といった内向きな消極的な飼い方になってしまっているのが今の現状じゃないでしょうか?

しかし残念ながら色々な方に話を聞くと、不安で病院に行って様々な検査をし、リスクばかり話されてより不安になって帰ってくる方が実に多い。

そしてなぜか獣医師に怒られる飼い主さんまでいる。

それだと家でもずっと飼い主さんは不安なままですよね。

そんな不安な人に飼われている動物達が元気になるはずがありませんよね。

飼い主を安心させる。

当たり前のようでなかなか気付けない事を1年目で教えてもらった事。

本当に感謝していますしとてもラッキーだっとと思っています。

そしてふたつ目は

「人は人のために仕事をしている」

という事です。

これも実はすごく当たり前なんですよね。

我々は動物の治療や健康のケアをしています。

しかしそれが動物のためになっていても飼い主さんのためになっていなければ、それはあまり意味のないことかもしれません(というか飼い主さんのためになっていなければ、大抵は動物のためにならないですが・・・)

例えば教科書的にいい治療を行なっても動物達への負担がかかりすぎたりとか、年齢的に無理をしないほうが良かったりとか。

経済的に飼い主さんの負担になりすぎたりとか、死生観と合わなかったりとか。

結局は飼い主さんが満足していないと動物のためにはならないんですよね。

当たり前ですが我々も含めて仕事をしている人は、人間からお金をもらっています。

獣医師もそう。

犬猫からお金をもらっているわけではないのでやっぱり飼い主さんのためになっていないといけないと思うんですよね。

そしてそれは最初にもつながるんですが、飼い主さんを安心させる。

これに尽きると思っています。

これ以外にも様々な事を教えてくれた最初の病院。

院長は獣医以外の様々な本を読み、いろんな人たちと付き合いがありました。

業者の方々ともフランクに話をしていました。

今の自分もそれに近いような気がします。

治療に関してはあんまり薬を使わない病院でした。

「うちは薬屋さんじゃないから」

こう言われたのをよく覚えています。

飼い主さんとのコミュニケーションもその後に行った病院や他に見学に行ったどの病院よりも密に行なっていた気がします。

結局そこなんですよね。

飼い主さんとのコミュニケーションができ、信頼関係が築けていなければしっかりとした診察や治療なんてできないんですよね。

それが獣医療としてはとても大事な事なんですよね。

そんな病院で4年半働いた後、もっと経験を積みたいと思って東京に出てきました。

東京の病院は多摩地区の病院ですが、来て早々感じたことがあります。

「薬、多い・・・」

処方欄に書く薬がめっちゃ多いんです。

慢性的な病気で通院している子達はほとんどが薬を飲んでいたわけですが、3、4種類飲んでいる子はザラで、多い子だと10種類ぐらい飲んでいる子もいました。

何が効いているのか?

ぶっちゃけわからなくなってしまいますよね。

そしてもうひとつ思ったこと。

「変な病氣多くない?全然治らなくない??」

静岡にいた時は基本的に治療はシンプルでした。

心臓が悪くて薬を多く飲んでいても基本的には3種類程度。

増やすのであれば何かを減らす。

それが当たり前でした。

多くなりすぎると何が効いているのかわからなくなりますし、その薬のせいで腎臓や肝臓に負担がかかり他の病氣になるのではないか?との懸念もあったからです。

でも東京にきて思ったことは薬がとにかく多い。

そして静岡で見たことのないスッキリ改善しない症状が多いと言ったことでした。

そこら辺からです。

実は医療行為が病氣を作っているんじゃないのか?と疑うようになったのは・・・

でもその時は毎年ワクチンを個人的にも推奨していたし、実際打っていましたが・・・

ただワクチンを打った後しばらくして免疫の病氣だったり体調不良になる子も経験していたのは事実。

にもかかわらず「みんなやっているしやるのが当たり前」と思って何も考えずに打っていたこと、今となっては反省しています。

さてさて、長くなったのでER時代以降は次回になりますが、予告をしておきますと、さらになぜだか症状が複雑化し、治りが悪くなっていくとますます感じることになるんです。

そしてその後至った現時点での結論を次回お伝えしますね〜

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