獣医師になってからを振り返る②

こんにちは😊

前回の続きですね。

静岡、東京の動物病院で勤務したのちにERで働き出したわけですが、私がERで働き出した目的は

高度医療をやりたい!!

最先端を突き進みたい!!

みたいな思いではなかったんですww

実は静岡の途中から思っていたことがあったんですが

「二次病院や高度医療ってどこまで必要なんだろう?」

「そこにいった動物や飼い主さんは果たして幸せになっているんだろうか??」

こんなことをずっと思っていました。

そのきっかけは最初の静岡の病院の院長が常に言っていた言葉。

「やり過ぎると疲れちゃうんだよね〜動物も人も・・・」

最初はこの意味がわかりませんでした。

と言うか静岡で働いていた頃は今でいう「やりすぎない治療」が当たり前だったんで、逆に「やり過ぎる治療」がわからなかったんです。

でも静岡勤務時代に見にいっていた大学病院やそのほかに見学しにいった病院でその辺が少しずつわかってきました。

なんとなくその治療に違和感を覚えていたんでしょう。

それがはっきりと自分の中に落ちてきたのが東京に来てから。

前回も書きましたがとにかく薬や検査が多い。

そして健康診断でその後検査をして薬を処方することが多い。

本人に症状がないのに、です。

そしてもう一つ気になってしまったことが、二次病院です。

治療に行き詰まった時、緊急時に紹介できる病院としてとても便利な病院ではあります。

しかし、これはあくまでも自分の中でですが、なんとなくの違和感を感じてしまうことが多かったんです。

「そこまでやる必要、あるのかな??」

もちろんその診療をしている獣医さんは真面目な方々ですし、飼い主さんへの説明もして納得された上で治療を行なっていると思いますが、何故だか帰ってくる患者さんがみんな疲れているんです。

そして治療に対する不満を言い、値段が高いと言っている。

本当に満足している場合、人は不満を言いません。

いい買い物をした時にはその値段は安いと感じます。

逆に必要のないものを買った場合、衝動買いをした場合なんかは後になってその値段が高かった、と文句を言いますよね。

全員ではありませんが多くの患者さんが治療や費用に対して愚痴を言っていたのは確かです。

そこで思ってしまったんです。

「二次病院って本当に必要なのかな?」

そのことを確認するためには外からワーワー言っているだけだと全く意味がないので、二次病院に入ってしまえ!!

ってことで救急病院の勤務を始めました。

救急病院は一般の病院さんが手に負えなくなってしまった症例の受け口です。

いわゆる紹介症例ってやつで、人間の場合は大学病院や〜会みたいな民間の大きな病院がそれにあたると思います。

動物の場合は人間の病院よりも少ないですが、近年どんどん増えてきています。

救急病院に入った当初は右も左もわからず、ただ言われたことをそのままやっていました。

今までの治療が正解かどうか?ってのは実際にいろいろ経験してみないとわからないですからね。

そんな生活を2年間行なって至った結論は

「救急に来る症例の8割方は一人でもなんとかできそう」

でした。

救急に来る症例の8割、ってことは普通の病院であれば月に1頭なんともならなくて送らなきゃいけない症例がいるかどうか。

それがわかったので私は救急をやめて一般病院で働いています。

それがわかったことは自分にとってものすごく大きな意味がありましたし、逆に自分で診察可能なのであれば飼い主さんや動物の負担、二次病院のスタッフの負担も軽減できるので、いいことばかりじゃないか。

そんな気持ちでした。

しかしそれ以上の収穫が実は救急病院勤務時代にあったんです。

それは・・・

「紹介されてくる犬猫たち、薬飲み過ぎじゃない?」

「静岡の時ならすぐ治っていた様な子が何故か治りが悪く、亡くなる子もいる。これはなぜだ??」

「どこまでやったら飼い主さんも動物も幸せなんだろう」

こんな思いが出てきてしまったんです。

このブログをお読みの方の中でも動物たちが病院が良いの方もいると思いますし、ご近所さんで薬を欠かさず取りに行かれている、という方もいるでしょう。

昔は動物病院も少なくフードも残飯で、今よりも予防も何もしていなかった。

でも今よりも動物が病院に通っているってことはありませんでした。

今の動物たちは病院通いはしてますが、薬がずっと出ているということは病気はずっと治っていないということ。

そんな子たちが紹介されてきて薬を何種類も飲んでいる。

そしてさらに拗らせた病気になってしまう。

「これは薬のせいで病気になっているんじゃないか?」

「薬を飲みすぎて自分の免疫力が低下しているから治りが悪いんじゃないか?」

さらにいうと薬をたくさん飲んでいる子の食事は普通のドライフード・・・

その辺からです。

食事にこだわりだし、本当に必要な薬とは何か?を考えだし、そもそも今の治療が本当に合っているのかどうか?を考えだしたのは。

正直救急病院を辞めた理由の一つは、救急ではそれらの疑問に解決できないから、という理由も大きかったです。

そんなんで永井動物病院に来て2年間。

当院の患者さんでも毎月検査を行い薬を飲んでいる子が多くいましたが、7割ぐらいの薬は切っていきました。

当然飲まなくなった患者さんも多くいます。

しかしそれによって症状が悪化する子はほとんどいません。

いたとしても薬を戻せば戻ります。

薬や検査が減ると当然ですが動物の精神的・肉体的な負担は減りますし、飼い主さんの精神的・経済的な不安もなくなります。

その結果ご機嫌になれればそれがさらなる病気の予防につながると考えています。

結局それを実現するためには食事やメンタル、生活環境といつも言っていることに気を配らなければいけません。

でもそれに気がつくだけで病気は大方防げたりするんです。

これが今現在行なっている治療に至った経緯です。

西洋医学、漢方、統合医療。

色々な分野はありますが、何を使ってもいいと思いますが結局は病気になる原因を掘り下げなければすべて「対症療法」です。

もちろんそれはそれでいいのですが、もっとどうにかできないかな?

こういう考えは常に持っておく必要があると考えています。

今後も少しずつではありますが様々な知見を診察に生かしていければと考えています。

では🤗

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