狂犬病の予防接種の時期になりました

こんにちは。

もうご存知の方も多いと思いますが、今年度の狂犬病の予防接種が開始されております。

毎年集合注射を受けていた方もいらっしゃると思いますが、ここ数年はコロナウイルスの関係もあり集合注射は行なっていないようです。

もっとも集合注射が行われていたとしてもその子の今までの既往歴や投薬内容などを知ってから打った方がいいと思われますので、私は病院での接種をお勧めしております。

集合注射の場合何か副作用があったときの対応ができないこともあります。

実際に当院でも昨年接種後にアレルギー症状や消化器症状などを起こしてしまった子も何頭か存在しました。

注射後すぐに出る子もいますが、数日経ってから発症してしまう子もいます。

その時に集合注射ですとその会場が終了していることもあります。

そうなると対応が遅くなり最悪手遅れになってしまうこともあり得ます。

さて、狂犬病に関して患者さんとお話ししていると、誤って認識されている方も多くおられますので、簡単に基礎知識だけお伝えいたしますね。

まず、狂犬病はウイルス感染症と言われております。

原因となるウイルスは

「ラブドウイルス科、リッサウイルス属」

に属するウイルスです。

アメリカではラブドウイルス感染症という意味の「Rabies」という名前で呼ばれています。

狂犬病は狂犬病にかかっている動物に噛まれると唾液中にいるウイルスが体の中に入り感染すると言われています。

ここで認識しておいて欲しいことがあります。

ご存知の方も多いとは思いますが、狂犬病という名前がついていますが、犬だけでなく人間も猫も、哺乳類全体に罹る可能性がある病気なんです。

患者さんの中では犬だけにかかると思われている方もちらほらいました。

狂犬病というより「狂哺乳類病」の方があっているかもしれませんが、人間に対する感染源になる1番の動物は犬ですので、この名前がついているんだと思います。

狂犬病に罹っている動物に噛まれると数週間から、長い場合は数年経ってから発症します。

狂犬病の症状は攻撃的になったり他の動物を噛んだりすることもありますが、そのような症状を示犬猫は実は半分以下なんです。

つまり全員が凶暴化するわけではありません。

症状の中には吐いたり元気がなかったりと他の病気の見分けがつかない場合もあるみたいです。

さて、そんな恐ろしい狂犬病ですが皆さんご存知の通りこの日本では現在は流行していません。

日本で最後に動物で確認されたのは、犬が1956年、猫で1957年です。

つまり現在の子たちは狂犬病にかかっていません。

よくうちの子は噛むからとか、噛まれたけど狂犬病じゃないかが心配とおっしゃる方がいますが、現時点で日本で犬に噛まれても狂犬病になることはありません。

狂犬病注射の時にこの65年間発生していないことをお伝えするとびっくりする方が多くいます。

世界では大陸を中心に発生していますが、日本ではそれだけ長い間発生していませんので安心してください。

と、今回は概要だけ。

もう少し詳しく知りたい方は診察の時に尋ねてください🤗

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